飛んで火に入る夏の蟲

Archive: 2019年05月  1/1

春昼(二)

春昼や片羽のとれし老天使しゆんちうや かたはのとれし らうてんし○山本作兵衛「メーデー」の日は、久しぶりに山本作兵衛画文『筑豊炭坑絵巻』(葦書房)を読もうと、書棚の奥の奥まで探しましたが見つかりませんでした。その後、一昔前に交通事故で死んだ友人にこの本を貸しっぱなしであることを思い出しました。『筑豊炭坑絵巻』という書名の画集は何種類か刊行されているようですが、私の持っていたものはその中でもいちばん古...

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朝寝

うまさうに莨をのんで朝寝妻うまさうに たばこをのんで あさねづま○立春から数えて88日目の今日は「八十八夜」です。今年の立夏は5月6日ですから、まさに「夏も近づく」ですよね。○あ、私のつれあいはタバコをのみませんので。...

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鞦韆(しうせん)

ぶらんこの宙にあるとき河の上ぶらんこの ちうにあるとき かはのうへ...

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コップてふ似合ひの花器を得て薊コップてふ にあひのくわきをえて あざみ○夏は来ぬ春風邪を引いたせいもあって、4月30日、5月1日、2日は書斎兼寝室に伏せっていました。この部屋にはTVがありません。だから、旧天皇退位、新天皇即位、改元、それに伴う市民の大騒動(つれあいの大騒動でそれがわかる。)のニュースを観ることもなく、静かな3日間を過ごしました。昨日は病みあがりの身(笑)で近所を散策しましたが、戸外はすっかり...

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行春

行春や五つ六つほど山の音ゆくはるや いつつむつほど やまのおと...

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立夏

夏立つやチャラ瀬に光る陸封魚なつたつや チャラせにひかる りくふうぎよ○四季の中でいちばん好きな季節が訪れました。...

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チューリップ

チューリップ孔雀の羽のやうに活けチューリップ くじやくのはねのやうに いけ○季節は初夏となりましたが、いましばらく春の句を続けさせてください。...

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春灯(しゆんとう)

籠りゐるひとの気配を春燈こもりゐる ひとのけはいを はるともし...

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朧(おぼろ)

おぼろ夜の下駄は勝手に鳴りにけりおぼろよの げたはかつてに なりにけり...

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春の夜

なきがらを盥に洗ふ千金夜なきがらを たらひにあらふ せんきんや○なきがら(亡骸)を洗ういまでは記憶そのものが色褪せてしまいましたが、私が小学校へ入学する少し前、母方の祖父が老衰死しました。その日、病床の祖父がボタモチを食べたいというので、祖母が作って口に含ませたとたん絶命したのでした。私が初めて経験した身内の死です。祖母と母と叔父叔母たちは、すぐ祖父を裸にし、湯を満たした盥に座らせて、遺体が倒れない...

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春の海

濤音にとろみの増して春の海なみおとに とろみのまして はるのうみ...

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春の波

まさらなる白衣を畳み春の濤まさらなる びやくえをたたみ はるのなみ...

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春愁

夢精せる日にはじまれりわが春愁むせいせる ひにはじまれり わがしゆんしう...

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春の夢

春の夢自刃せし雄の呵呵大笑はるのゆめ じじんせしをの かかたいせう...

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春の夢(二)

春の夢だれか迎へに来たやうなはるのゆめ だれかむかへに きたやうな...

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グイ呑みの底より湧きぬ遠蛙グイのみの そこよりわきぬ とほかはづ〇蛙の時間夜、蛙を聴く楽しい時間がこれから数か月続きます。...

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藤の棚宇宙の星をみな吊しふぢのたな うちうのほしを みなつるし...

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藤(二)

沼鏡して藤房は空へ垂れぬまかがみして ふぢぶさは そらへたれ〇春の句はこれで終わります。...

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五月

おほらかを気取る絵手紙来て五月おほらかをきどる ゑてがみきて ごぐわつ〇4月に延々とサクラの句を続けたので、初夏の句が今日まで遅れてしまいました。...

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余花

余花なほも一枝は花の盛りなりよくわなほも いつしは はなのさかりなり〇ガラスコップの花一週間ごとに勉強机のガラスコップに新しい花を生けています。今週は白のヒメヒオオギ(姫緋扇)です。あ 、花の名前ですが、間違っているかもしれません。ヾ(;´▽`A``...

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牡丹

一ト茶席ごとに膨らむ牡丹かなひとちやせきごとに ふくらむぼたんかな...

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牡丹(二)

阿と吽の息をととのへ白牡丹あとうんの いきをととのへ はくぼたん〇大雨のあと...

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牡丹(三)

白牡丹花唇に白き翳宿しはくぼたん くわしんに しろきかげやどし...

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牡丹(四)

緋牡丹や聊齋志異を繙く夜ひぼたんや れうさいしいを ひもとくよ...

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牡丹(五)

牡丹花の崩るる気配して真闇ぼたんくわの くづるるけはいして まやみ...

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卯波(うなみ)

外つ国の朝より寄せ来夕卯波とつくにの あさよりよせく ゆふうなみ〇卯波「陰暦四月即ち卯月の波浪をいふ。卯の花の風に吹かれて波立つをいふとの説もある。」〔高濱虚子『新歳時記 増訂版』(三省堂)〕...

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桐の花

刺すために削ぐ鉛筆や桐の花さすために そぐえんぴつや きりのはな○少年昔読んだトンカジョン(北原白秋)の影響か、桐の花といえばなぜか少年を連想します。  草わかば色鉛筆の赤き粉の散るが愛しく寝て削るなり 第一歌集『桐の花』...

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桐の花(二)

花桐や自瀆を知らぬ子の自瀆はなきりや じとくをしらぬこの じとく...

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卯の花

卯の花の小径やわれの凱旋門うのはなのこみちや われのがいせんもん...

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卯の花(二)

卯の花や一夜をぬぐふ朝茜うのはなや いちやをぬぐふ あさあかね○アナクロすぎる.....。(>_...

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山女

入れかはり立ちかはりして瀬の山女いれかはり たちかはりして せのやまめ...

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